雪月風花

日本人にとっての「雪」
「雪景色は、日本人のDNAに深く刻まれている」
そう強く感じられるほど、冬の付知渓谷の原始的な美しさは日本人の感性に訴えるものがあります。
冬季は林道のゲートが封鎖されるため、ランプの宿の方以外は歩いてしか山に入ることができない特別なエリア。われわれ以外は誰もいない、家もない、人工物もなにもない。ただただ純白の世界の中にある、5キロほどの道のりを、宿に向けて歩きました。

茶室までの道のり
通常の茶会では、茶室の中に草や花を取り込みます。しかし、今回の茶会では、茶室(温泉宿)までの5キロの道のりの中で、大自然を五感で楽しむことに。痛いくらいに冷たい空気を顔に感じながら、音のない静寂の中を雪をキュッキュッと踏みしめながら歩く。
途中には、伊勢神宮の式年遷宮用のヒノキの立ち並ぶ「神宮備林」や、落差20メートルほどの滝が凍り氷瀑となる「高樽の滝」などの美しい景色が。雪と森のコントラストは、白と黒の水墨画のよう。落差のある氷瀑は、まるで掛け軸のよう。
月の明かりが雪に反射して、うっすらと浮かび上がらせる夜の山のシルエットは、まさに雪月風花。
窓の外を眺めて飲む茶コールの味は、一生忘れることのない思い出となりました。



