『茶と湯』
「茶道」×「湯道」=「茶と湯」
美の茶会の代表を務める岡部が、親交のある小山薫堂さんにお声がけさせていただき、今回の企画が立ち上がった際、こんな話し合いがありました。
小山:せっかくのお誘いなので、茶道と湯道のコラボレーションがしたいですよね。お茶とお湯をくっつけるみたいなイメージで。湯室(お風呂)の中で、お茶を飲めないかな?
岡部:面白そうですね! 温泉に浸かりながら、お茶を飲む。日本人ならではの2つの文化が掛け合わさる
小山:お茶とお湯って、実はすごく相性がいいと思ってるんですよね
岡部:お湯に合わせた、お茶のペアリングとかもできるかも。なんなら、茶師の人にも湯室に入ってもらい、目の前で作ってもらいますか?
小山・岡部:『茶の湯』じゃなくて、『茶と湯』でいきましょう!
ということで、お茶とお湯を愛する男たちが盛り上がり、決まったのが今回の企画なのです。お茶を「もっと自由に、もっと楽しく」をコンセプトに掲げる、わたしたちらしい茶会になりそうです。

秘湯の温泉宿を貸し切り、湯室を茶室に!
温泉に浸かりながら、日本茶を飲む。
そんな型破りな茶会を開くのを特別に許可してくれたのが、美濃(岐阜)の温泉旅館「ランプの宿」さんです。実はここ、知る人ぞ知る“秘湯の一軒宿”。付知峡と呼ばれる渓谷地帯に沿って、山の奥へ奥へと進んだ先の、標高850メートルの高地にあります。
岡部:小山さん、ここは電気は通ってませんし、携帯の電波も届かない。でも最高のお湯があります!
小山:いいですね~ 完全なデジタル・デトックス。秘境の温泉宿は大好きですし、最高に楽しみです
今回は、無茶をお願いして、湯室を「茶室」に見立てるために、茶道具やテーブルなどをお風呂場の中へと持ち込ませていただきます(オーナーの今井さんご家族、本当にありがとうございます!!)。
山の向こうに夕陽が沈み、谷間の温泉宿に夜の帳が下りてくる頃、いよいよ「美の茶会02 ~茶と湯~」の始まりです。

温泉に入りながら、お茶を愉しむ!?
まず、小山さんを含め茶会の参加者には、温泉に入ってくつろいでもらいます。浴槽は、香りの良い天然木・高野槙(こうやまき)で作られた“五右衛門風呂”です(なんと、薪で8時間もかけて冷泉から沸かすのだとか)!
小山:ああ~ 気持ちいい。柔らかい湯あたりで、最高ですね
泉質は、ナトリウムの「塩化物泉」と「炭酸水素塩泉」。塩化物泉はカラダを芯から温める“温まりの湯”として、炭酸水素塩泉は“美肌の湯”として知られています。

いい感じで汗をかいてきたところに、中津川の茶師・市川尚樹さんが登場です。
市川:よろしくお願いします。今日は、お湯にお茶を合わすということで、スペシャルなほうじ茶を淹れたいと思います
すると市川さんがおもむろの取り出したのは、なんと手動の「かき氷機」! かち割り氷を削って、ガラスの器にかき氷の山を作っていきます。
市川:いまは冬ですから、雪をイメージした氷に、温かいほうじ茶をかけて飲んでいただきます。“雪解け茶”みたいなイメージです
小山:なるほど! 熱々のほうじ茶を、冷たくして飲むと
市川:火照った身体を少しクールダウンしてもらいます
小山:ああ、ほうじ茶のこおばしい香りがフワッとしてきた~

市川さんは、お客様の目の前でお湯を沸かし(温泉の水を使用)、ほうじ茶を淹れてくれます。そして、お茶をかき氷にかけて、半分溶けた状態で出来上がり。お客様には、お風呂に入ったままの状態で飲んでいただきます。これぞ、『茶と湯』です!


小山:うまいー!今まで飲んだほうじ茶の中で、一番美味しいかもしれない!!
参加者:香りと甘みが、お風呂にピッタリですね
小山:お風呂の湯気と、お茶の湯気が重なる感じもたまらないです
市川:やっぱり、この雰囲気の中でお茶を飲めるという、雰囲気の力もあると思います
小山:このシチュエーションって、最高に贅沢ですよ
市川:わたしも人生で初めて、お風呂でお茶を淹れさせていただきました(笑)
一同:なんか、もうお湯から出たくなくなりましたー!!
しかし、ここで終わらないのが『美の茶会』。続いては、ランプの明かりの中で、茶懐石へとまいります。


