茶懐石くずし

茶コールに合わせた、茶懐石を
「美の茶会02」では、ランプの明かりのもとで料理を楽しみながら『茶コール』(お茶のアルコール)を飲むという本来の茶道の“お作法”からは大きくハミ出した茶懐石を開きました。
茶懐石とは本来、懐石料理を食べながら「お酒(日本酒)」を飲んだ後に、茶室をしつらえて「濃茶」「薄茶」をおもてなしするのが正解。お酒とお茶は完全に分離されていて、むしろお茶をおいしく味わうために料理を食べるものです。
しかし、お茶を“もっと自由に、もっと楽しく”することをモットーとする美の茶会では、「茶懐石に、茶コールを合わせよう!」ということになりました。
なので、お料理の方もガチガチの「茶懐石」ではなく、茶コールに合うようなものを作っていただきました。

創業400年「長多喜」さんの、茶懐石くずし
美濃茶の産地である中津川市にある『夜がらす山荘 長多喜』さんは、創業400年超えの料理旅館。
1万坪もある広大なお庭(素晴らしいお庭です!)の中に、茅葺屋根の古民家など離れ宿が6棟立っているという贅沢なお宿です。
ここの名物が、京都の「上賀茂 秋山」や岐阜の「匠味 平野」、「割烹 宮房」で経験を積んだ15代目料理長・吉田将也さんが腕を振るう「茶懐石くずし」。

吉田:茶懐石くずしとは懐石料理と本膳料理の、良い部分を掛け合わせたコース料理です。
空腹状態で濃いお茶を飲んでは、気分が悪くなるため、お茶を美味しく味わうための軽食として出されるのが懐石料理は。茶の湯で抹茶を飲む前の料理で、飯・吸い物・向付、煮物、焼物、預け鉢、吸物、八寸、湯桶・香の物、菓子の順で、一皿一鉢ずつ出すのがひとつのルール。
一方の本膳料理は、正式な日本料理の膳立てで、食事をとる行為を、儀式的にしたもの。武家の礼法として室町時代に確立され、本膳、二の膳、三の膳から成り(与の膳、五の膳までの場合もあり)、二汁五菜が一般的で、料理のボリューム、また、料理が一度に並べられる点が懐石料理との大きな違いです。
中津川はお茶文化が根付いた地域ですので、懐石料理がベースですが、料理の数や出す順番、ボリュームなどの、“型”に縛られずに、野菜や川魚を中心に、地元で採れるその季節の旬の食材を感じてもらうのが、長多喜の茶懐石くずしの良さだと思っています

“型”からはみ出すスタイルは、私たちがお茶を「もっと自由に、もっと楽しく」していきたいとする考えとシンクロするところ。一緒に何か面白い提案をしたいですね!
美の茶会のペアリング
今回の美の茶会では、「茶コールに合わせた茶懐石くずし」を楽しませてもらいました。茶コールの1杯目は、お茶を漬け込んだジンを使った『茶ジン・トニック』。
中津川のレモンを使ったジンに、中津川の茶師・市川尚樹さんのかぶせ茶『多香』の香りをうつしたもの。これに合わせた茶懐石くずしは、ピンチョス感覚の「八寸」です。ジンのレモンと掛けたさつま芋レモン煮や、地元の名産である信州サーモンをスモークさせた砧巻など。「和洋折衷」の感じを表現してもらいました。
2杯目は、『日本茶酒』。長野の信濃鶴(純米吟醸)に、東白川村の高級茶葉『天雷』をブレンド。味わいの中に、お茶ならでは旨みと甘みが加わります。
ここに合わせて面白かったのは、むかごのご飯。お茶とお酒とご飯が、口の中で混ざり合った時のシンフォニーが最高でした!まだまだ始まったばかりの、お茶と料理とお酒の新しいペアリング。
これからもどんどんチャレンジしていきたいと思います。

【info】
-夜がらす山荘- 長多喜
岐阜県中津川市駒場1649
Tel:0573-65-3133
Check in:15:00 Check out:10:00
宿泊:¥25,000~
料理:茶懐石くずし¥7,500、和宮姫御膳¥4,500(共に税・サービス料込み)※応相談
【昼】11:30~15:00、【夜】16:00~22:00
nagataki.info

