ランプで「夜咄」


秘境にあるランプの宿

今回、美の茶会の舞台に使わせてもらったのが、その名も「ランプの宿」。山奥にあるため、電気も水道もない、携帯の電波も届かない、まさに“秘境の温泉宿”です。
その最大の魅力は、なんといっても夜に灯される無数の「アルコール・ランプ」。オレンジ色の幻想的な光に包まれた旅館は、まさにアート空間です。

ランプの宿のご主人(今井さん): ここは電気が届かない国有林の中で、一番近い民家まででも10数キロあります。近くに他の宿もないですし、自家発電はしていますが創業時から電気は自家発電のみで、ランプを灯す宿として始めました。当初から今のような数(約200個!)のランプがあったわけではないんですよ。いつからかお客さんがランプを置いていくようになって、“ランプの宿”として広まっていきました。ちなみに夜間帯に電話する時の電気は小規模水力発電です。渡合温泉は山間の凹地のため、太陽光発電も現実的に不可能で、水力発電で対応しています

下見に伺った際に、美の茶会・代表の岡部がすっかりこの空間の虜になってしまい、「ここを茶室にしたい!」と無理にお願いして、今回の茶会が開催されました。


冬の「夜咄」を、茶コールで

小山:ランプの宿ならではの、『夜咄』ができました。日本ならではの、季節を感じられる茶会でした

『夜咄』とは夜会とも呼ばれ、夕暮れから夜にかけて行われる茶事です。冬至から立春までの寒い季節に茶人が集まり、炉で温まりながら、行燈で照らし出された神秘的な空間でお茶を楽しむという、実に日本人らしい風流な茶会なのです。

岡部:現代の夜咄を!という小山さんとの打ち合わせを経て、ランプを行灯に見立ててみました。外の雪に反射するオレンジの光も本当にキレイでした。美の茶会らしい、自由な茶会になったと思います!

宿のご好意で、20個以上のアルコール・ランプを使って生み出されたアート空間は、まさに“夜会”という特別な雰囲気を醸し出していました。そのせいなのか、茶コール(お茶のアルコール)の進み具合も早く、盛り上がった茶会となりました。

【info】
ランプの宿 -渡合温泉旅館-
岐阜県中津川市加子母度合
Tel:090-1092-8588
Check in:15:00〜17:00 Check out:10:00
料金:大人¥13,460~、子ども¥3,025〜
www.doaionsen.jp

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